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誰も意見を言おうとしないところを見て、真由美はコホンと小さく咳払いをして、話しを続けた。
「では、サークルの基本ジャンルはヒップホップとします。
次は当面のサークルの目標ね。
もし誰も心あたりがないなら、私がイベントを拾ってくるわ。
コンテストに出場するとしても、その前に調整も兼ねて、人前で踊っておくのがいいと思うから」
一人で淡々と進めていく真由美を見て、覚悟は少しイライラしている。
覚悟は全員参加型の、もっと熱いミーティングを要望していたのであろう。
「あと、当面の練習形態だけど、私から提案があるわ。
私は初心者の草薙君にダンスの基礎を教えるから、部長と六条さんはショーのための振付を考えてほしいの」
覚悟と雷華が無言でコクリとうなずいた。
「部長、練習場所の確保はできてるの?」
「それは大丈夫だ。学務課に体育館のスペースを分配してくれるよう、話をつけてある」
それを聞いた真由美は、キリッとした顔でうなずくと。
「では、ミーティングはこれでお終い!
細かいルールや必要な物はその都度決めていきましょ。
じゃあ、サークル始動ね!」
そう言って、3人に明るい笑顔を振りまいた。
透は「一安心」といった様子だ。
雷華は「どうでもいいや」という顔で、髪の毛をいじっている。
覚悟は心の中で「もっと熱くなれよおお」と悔しい叫びを発していた。
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