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「イベント決まったわよー!」
その声を聞いて、体育館でストレッチをしていた3人は、一斉に真由美の方向
を向いた。
「イベントの詳細を言うわね。
イベント名はダンストライブ。
場所は中央区のclubREON。
出演日時は3月24日土曜日の25時30分よ」
と真由美が嬉しそうに言うと。
「よくそんないい時間が取れたわね。
一番人の入ってる時間帯じゃない」
と雷華が怪訝そうに聞いた。
「まあ少しコネがあってね。
トリは嫌だし、人のいない早めの時間帯も嫌って言ったら、この時間になったの」
真由美は満足そうに答えた。
「他の出演ダンサーもいるのか?」
覚悟も怪訝そうに聞くと。
「出演するダンスチームは全部で12チームね。
ダンスイベントだからダンサーは多いと思うし、お客さんもダンス好きが多いと思うわよ」
と真由美が答えたのを聞いて、なぜか透は体に冷や汗をかくのを感じた。
ダンス初心者である自分が、初めてイベントに出ることになったという現実が、心に深く突き刺さっていた。
透が不安感を覚えているのを尻目に、覚悟は「やってやるぜー!」と叫びなが
ら興奮している。
雷華はそそくさと練習に入って、自分の動きを観察しながら振り付けを考えていた。
真由美は持っていた音楽プレイヤーとポータブルスピーカーを床に置くと、透
を手招きした。
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