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二人はシュンとしたあと、覚悟は「おう」、雷華は「はい」と返事をした。
雷華はチラリと覚悟を見ると。
「ごめんね謙崎。
私も少し言いすぎたわ」
と言い、覚悟も。
「いや、俺のほうこそすまんかった。
意固地になりすぎたよ」
と言った。
透は、一部始終を見ていて「よかったよかった」と思い、それと同時にダンスをする人は、我が強い人が多いんだなと思った。
覚悟と雷華が振り付け作りに戻るのを見て、真由美はホっと胸を撫で下ろした。
そして、透に「では続きをやりましょ」と言うと、また同じ位置に戻り、今度はリズム取りの練習に取りかかった。
「では、アップとダウンのリズム取りをするわよ」
真由美の透き通った声が体育館に響き渡る。
覚悟と雷華は「あーでもないこうでもない」と話し合いながら、振り付けを作っている。
透は無我夢中に真由美の真似をしながら、自分の意識が少しづつダンスに浸っていくのを感じていた。
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