ムーブ2

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1限を受けたあと、4限まで時間があったので、透は何をしようか考えながら、キャンパス内のベンチに座っていた。 透はいまだに大学に友達がいない。 もともと社交的な性格ではないので、自分から友人を作ろうともしなかった。 声をかけられても深い仲になろうとしない、そんなスタンスだったので結果がこうなのだ。 喋る相手もいないので、透はデジカメを取り出すと、撮り貯めた写真を整理し始めた。 30分くらいたっただろうか。 透が写真の整理に夢中になっていると、体を屈めてデジカメを見ている先に、人影ができた。 透が「なんだろう」と思い顔を上げると、目の前には謙崎覚悟が立っていた。 二人は驚いたように顔を見合わせると、覚悟が先に口を開いた。 「ガッハッハ、おまえこの学校だったのかぁ!」 透もうれしくなり。 「覚悟さんもだったんですね」 と大きな声で言った。 「こんなところで何してんだ?」 「いや、ちょっと写真の整理を・・・。  覚悟さんは?」 「俺は勧誘をしててな。  いろんなやつに声かけてんだ」 「勧誘?なんのです?」 覚悟はちょっとはにかんだ様になった。 「サークルの勧誘さ。  まぁ、察しの通り、ダンスサークルだ。  もしよかったらおまえもどうだ?」
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