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覚悟はそう言うと、「ちょっと気軽に誘いすぎたかな」というような笑みを浮かべていた。
「いいですよ」
透はそう言った。
覚悟は驚いた様子になり。
「ほんとにいいのか?」
と聞き返した。
透はすました顔になると。
「ええ、いいですよ。
以前、覚悟さんに見せてもらったダンスに、とても興味を引かれまし
たし、最近、僕は運動不足なんで」
と言った。
半分嘘であった。
確かにダンスには少し興味はあったが運動不足を気にしたことなどない。
ただ透は覚悟をすごく気に入っていた。
まだ少ししか絡んだことはないが、覚悟の喋り方、雰囲気が好きだった。
「この人ともっと一緒にいたい」という思いがあり、その思いだけでサークルに入る決意をしたのだ。
覚悟は「ヒャッホーイ!」と叫んで喜ぶと、透に握手を求めてきた。
透はこの間覚悟に教わった通りに握手をすると、まだしていなかった自分の自己紹介をした。
「あらためてはじめまして。
僕は草薙透。
経営学科の1年です。
よろしくお願いします」
覚悟はニッコリ笑うと「おう、よろしくな!」と言った。
二人はこの前の出来事、大学のこと、サークルのことなどを小一時間ベンチで談笑すると、覚悟の案内でサークルの部室までの道のりを歩いて行った。
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