186人が本棚に入れています
本棚に追加
ビルの屋上からの夜景はとても美しい。
最近では、この夜景ですら金で買えると思ってしまう。
まずい……
感傷に浸っている場合ではない。
そんな事より、とにかく早くこの事態を何とかしなければ。
「なあ、もういいだろ?死ぬなんて言うなよ」
俺は、ようやく屋上のフェンスごしまで彼女を追い詰めると、両手を広げながら優しい口調で説得を開始する。
「いや!それ以上近づかないで!秀人に捨てられるくらいなら死んだ方がマシ!」
あぁ、マジ面倒臭ぇ……
人生初めてのピンチに頭がおかしくなりそうだった。
そう。俺はいつだって自分の思い通りに生きてきた。
出来る事ならこのまま逃げ出したいとさえ思った。
最初のコメントを投稿しよう!