186人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女はハイヒールを脱ぎ捨てると、フェンスを乗り超え屋上のフチギリギリに立つ。
慌てて俺もその後を追う。
どうせ本気ではないだろう。冷静に説得すれば彼女だって怖くなって戻るに違いない。
「来ないでって言ったでしょ!」
「ちょっと待てよ。本当に俺が悪かった。お前の気持ちも考えずに酷いことをして。とりあえず部屋に戻らないか?もう一度冷静になって話し合おう」
「もう無理だよ……」
彼女は小さな声でつぶやく。
「えっ、今なんて……」
彼女は目を閉じると、フェンスから手を離し、上を向く。
「おいっ、待て!……危ないっ!」
最初のコメントを投稿しよう!