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俺は咄嗟に彼女に手を伸ばすが、その手は彼女を掴むことなく虚しく空を切る。
その瞬間、右足が宙に浮いた気がした。
彼女はフェンスにしがみついたまま驚いた顔で俺を見ている。
急激に体が斜めになり、いつの間にか俺の目線は彼女のミニスカートと同じ高さになっていた。
あ……れ?
……
…………
やだ。まさか俺……
落ちてんの?
落ちていると確信したのは、彼女のパンツが見えたくらいだった。
やべぇ……俺、死ぬのか?
正直、あまり実感がわかない。そこまで考えるには時間が短かすぎた。
体全体に感じる重力加速度と空気抵抗。
空気抵抗が重力加速度に勝てる訳もなく、俺の体はどんどんスピードを増していく。
なぜだか気持ちが良い。
空を飛ぶ夢を見ているような気持ち良さだ。
天を仰ぎながら目を閉じると、俺はそのまま暗い暗い闇の中に墜ちていった。
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