過去の出来事が悪夢となり少年の今をも蝕む(翔side)

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まずは、高いベッドから、 滑り落ちるように降りなきゃ。 相棒も掴んで引きずるように 一緒に連れて行くよ。 ママはどこだろう? 相棒が言うんだ。 『二階が怪しいよ!!』 僕は階段に向かう。 階段の前に立って、 見上げると上の方は真っ暗で、 どこまでも続いているような 高さなんだよね。 でも、行かなきゃ… 僕は両手両足を使って 高い1段1段を登ったんだよ。 相棒は1段ずつ放り上げるように、 先に行かせながら、 やっと2階に着くと ドアが並んでたんだ。 僕はドアノブに手が届かないんだ。 遠くからウォーとかウガァーとか 唸り声のようなのが聞こえるし、 怖くなって 「ママァ~!」 と叫んで呼んだんだけど、 耳を澄ましても ママの声は返ってこないんだ。 そうしたら、僕に引きずられてる 相棒が、言うんだよ 『今度は、キッチンが怪しいよ』 キッチンに行くには、 今登ってきた階段を、 降りなきゃならないね。 見下ろすと暗い底無し沼のようなんだ。
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