過去の出来事が悪夢となり少年の今をも蝕む(翔side)

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でも僕は勇気を出して 降りていくんだ。 一段、一段、両手足を使って 相棒を引きずり降ろしながら 時間をかけて、降りて行ったんだ。 やっと、下の床に着いて 周りを見回すと、暗いんだよね。 でも、キッチンに行かなきゃ 暗くて、あまり先は見えないけど ゆっくり、相棒を引きずりながら 向かったよ。 キッチンに着いたけど、 ママは居ない。 誰も居ないのに、 ピッチョン、ピッチョンって 何かが滴り落ちる音がするんだ。 上を見上げると天井には、 白っぽいのや銀色っぽいのが 揺れながら、こっちを見てるんだ。 僕は、また不安になって、ここでも、 「ママァ!!」 叫んで呼んでみたんだ。 やっぱり、ママの返事は返ってこない。 どんどん、不安が大きくなるんだ。 また、相棒が言うんだ。 『リビングが怪しいよ!』 キッチンの隣がリビングだ でも、そこにもママは居ない。 「ママ、ママ、どこをぉ・・・」
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