過去の出来事が悪夢となり少年の今をも蝕む(翔side)

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窓を見ると、怖い巨人の影が 僕を睨んでるんだ。 逃げなきゃ、僕まで捕まっちゃう。 急いで逃げ出したんだけど 玄関の所で転んじゃうんだ。 怖くて、怖くて、 そこまで我慢していたけど、 とうとう、泣いてしまってんだ。 相棒を抱き締めながら、 我慢できなくて、ママを呼び続けたんだよ。 何度も、何度も声が出なくなっても 呼んだんだよ。 泣きすぎて目が見えなくなっても ママを呼び続けたんだ。 苦しくなって、何も見えなくて 本当に、怖かったんだ… そうしたらね。 柔らかくて暖かい風が 僕を包んだんだ。 その風はね、ママの匂いがするんだよ。 すぐにギュってされて、 あっママだって、すぐ分かるんだ。 柔らかくて温かいから、 だから、僕は安心して 眠ってしまうんだ… ・ ・ ・ 目を覚ますと、お母さんのパジャマを 強く握りしめているんだよ。 ずっと強く握ってたんだね 指は固まってて痺れてるんだ。
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