過去の出来事が悪夢となり少年の今をも蝕む(翔side)

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僕が目を覚ましたのに お母さんが気付くと 優しく微笑んで 「翔、おはよう」 って言ってくれるんだ。 まだ一人で寝れなかった事が 恥ずかしくて小さい声で 「ぉはよぅ…ぉ母さん…」 と挨拶を返すんだけど 顔を見られたくなくて お母さんの胸に 顔を埋めるんだ。 そんな僕をお母さんは ただ優しく頭を撫でてくれるんだ。 いつもね。 最近は少し諦めて 最初からお母さんと 一緒に寝ているんだ。 一人で眠れそうな時は 頑張ってみるけどさ。 起きるのも、お母さんが 朝食の準備に起きるのと 一緒に起きてる。 お母さんと一緒だと、 熟睡してるのか すっきり起きれるし。 お母さんがキッチンで 朝食の準備しているのが 見えるリビングのソファーに座って、 少し、くたびれた 大きめの相棒(クマのぬいぐるみ)が 置いてあるカウンターの向こうで せわしなく動きながらでも 僕の事を気にしながら 朝食の準備をしている お母さんを、ただ見てるんだ…
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