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リビングに戻り、テレビを見ている
翔に声を掛けます。
「翔そろそろ寝よっか?」
番組が面白いところなのか
画面から目を離さずに
「…あっ、ぅうん、もう少し待って…」
と生返事が帰ってきます。
最近は私を目で追う事も
少なくなり、テレビに見入ったり
することも増えました。
これも成長だとは思いますけど、
ほんの少し寂しい気持ちにもなります。
そんな風に思いながら、
ソファーに座る翔の隣に
いつものように座ります。
番組はお笑いでした。
芸人さんたちがドタバタと騒がしくして
笑いを誘ってます。
翔は私が隣に座ると一瞬だけチラッと
視線を向け、画面に目を戻します。
数秒後、体ごと向き直り私を見ました。
そして上から下、下から上へと
視線が泳ぎます。
「‥‥おっ、おか、お母さん?‥‥
‥‥どっ、どっ、どう、どうしたの?
‥そっ‥‥その、その‥恰好‥‥?」
翔が聞いてきました。
少し混乱しているかのようです。
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