新緑が深緑に移り行く季節に変わりゆく母子関係(美鈴side)

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私と翔の間の何かが、ほんの少し 本当に気付かないぐらい、ほんの少し 変化したような気がしました。 「でも、こんなに薄いと、 すぐ破れちゃわないかな? 僕、ギュッと握るからパジャマだって 破れるんだし」 直接、見るのは恥ずかしいのか? テレビに目を向けながら 聞いてきました。 そんな翔の隣に座りながら 「破れたら新しいのを買えばいいんだから 気にしなくていいんだよ?」 翔の頭を撫でながら言いました。 その言葉に納得したのか? 安心した表情になった翔 番組も終わり、テレビを消して 翔の腕を抱くようにしながら 立ち上がらせ、いつの間にか 私の身長を追い越していた 翔を見上げながら 「じゃ 寝ようか? 翔」 と言って寝室に向かいました。 いつもと ちょっとだけ 違う いつもの行動 運命の歯車がちょっとだけ ずれ始めた気がしました‥‥。
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