母親である私の過去の過ち(美鈴side)

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翔から、一人で寝てみる、と 頑張ってみても 布団に入り30分もしないうちに 『ママァ! ママァ!』と 悲痛な叫びと共に飛び起き、 泣き出してしまいます。 私は、すぐに翔を抱き締めて 「大丈夫 ママは ここよ。 ちゃんと 居るから 大丈夫よ…」 優しく語りかけます。 そうすることで、翔は泣き止み 私のパジャマの腋の下あたりを、 ギュッと握りしめたまま、 安心して寝息を立て始めます。 どんなに深く寝入っても、 私のパジャマを握った手は、 緩む事は無く、離しません。 これは、私への罰なのだと思います。 翔の手が、私のパジャマを握らずに、 眠れるようになるまで、 私の罪は終わらず続くのだと、 いつも心に留めながら、 翔の隣で眠りに就くのでした。
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