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~美鶴の過去~
真夜中の丑三つ時。草木も眠る静かな時、美鶴はうなされていた。
「…~ッ!…はっ!」
ばっと勢いよく目が開く。ハァハァと呼吸は荒く全身は汗でびっしょり濡れていた。
「また…最悪。」
ポツリと呟くと上半身を起こし、汗で額にはりついた髪をかきあげる。
最近、美鶴はウズという夢魔にあってから悪夢にうなされるようになった。
決まって内容は自分の過去。
美鶴は大きくため息をつくと布団から出て冷蔵庫から水を取り出す。
こくり…喉を通る冷たい水が気持ちいい。
再び眠る気にもならず美鶴は机に向かい漫画を描くことにした。
もう吹っ切れたと思っていた過去。俺はあの日から一歩も動けずにいる。
お祖父様………俺はただ貴方に認めて欲しかった。
自分を見てもらいたかった。
今はもう叶わぬことを知りながらも俺はまだもがき続けているのだと知る。
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