第1章

3/4
前へ
/21ページ
次へ
「………はぁ…」 お夕とか言う奴がいきなり近付くから驚いた 「顔が怖いと言われたのかと思ったら… 大声か…」 変わった奴が入ったな …アイツになら、心開けそうだ だが…病が移っても知らないぞ… ―――――――――――――――― 「ただいま戻りました」 女中部屋の襖を開くと、女中の皆さんが顔をしかめる 「お夕、大丈夫なのですか?」 「何がでしょうか?」 「天然痘なのでしょう? 病が移ってないのですか?」 ああ、そういうね! 「大丈夫です! 私も昔なったことがあるんです!」 「まぁっ!」 「移さないでくださいます?!」 もう治ったのに… 「2年前に治りました!」 「なら…いいけど…」 「驚かせないでくださいませんか?」 「天然痘ってどう? 痛いの?辛いの?」 うーん 両方…かな… 「熱と腹痛が酷いです それに下痢も… そして治る時には体のどこかに痕が残ります」 「辛いのね…」 「あなたもあるの?」 うん、あるよ 見えないけど 「はい、たまたま見えない場所に」 「まぁ…まだ幼子なのに…」 「女の子なのにね…」 そういうものかな? 「まぁいいとして、 夕食作りをしましょうか!」 「あら、もうそんな時間?」 「急いで作りましょう!」 ―――――――――――――――――― 「ほう… この煮転がしは誰が作ったのだ?」 「お夕にございます 手際がよく、調理も目分量にございました」 「素晴らしい… やはり私に仕えさせられないだろうか?」 「何を仰有います! お夕でなければ政宗を誰が見ると言うのですか!」 女中は皆顔をしかめた 「そういえばお夕はどこだ」 「政宗の部屋に行かせました」 ―――――――――――― ―――――――― 「政宗様、入ってもよろしいですか?」 「…お前か ………………入れ」 襖を開け、夕食を持っていく 「今宵の夕食にございます」 「…あぁ」 お盆をじっと見る政宗様 ……? 「席を外しましょうか?」 「いや、いい… ここで食っていけ」 えっ… 持ってきておいて良かった← ,
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加