第2章

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私が女中になって3年経った 政宗様は親友のように仲良くしている でも… おとうの門番の場所が変わるのだ …甲斐に 私もおっかあや弟妹たちと共に行かないといけない… 「政宗様…」 「様はいいって言ってるだr… …どうした?」 言わねばならない… 私は腹をくくった 「私、女中をやめなければなりません」 「……はっ?」 目を丸める政宗様 …ごめんなさい 「私は、奥州から出なければなりません これを…私だと思ってください」 「……俺からも…ほらよ」 私が朱色の手鏡を渡すと政宗様は私に蒼く小さな鈴のついたかんざしをくれた 「政宗様…」 「…また会おうな? これは、約束だ…!」 嬉しくて涙が出た それでも私の不安は拭われなかった だって…私が心配なのは…… ―――――――――――――――― ―――――――――― …………… その晩、私は身支度をしていた すると何か聞こえてきた 政宗様の部屋から…!? 私は急いで政宗様の部屋の前へ向かった 「…うああああ! ………くっ…小十郎… ありが、とな…!」 「政宗様! ご無理をなさらず! すぐに手当てを」 「とにかく包帯を巻いてくれ …アイツには、見せられない…」 「なぜお夕殿がいなくなってからこんなことを…」 「俺のけじめだ」 襖を開けようとしていた手を離す 「けじめのために眼球を…」 「いいんだ これから俺は強くなる…! いつか帰ってくるアイツ… …………お夕のために…!」 「そのためにも私がこれから貴方様の右目になりましょう…!」 政宗様… 私もめそめそしちゃダメ…ね… 荷物を持った手に力を入れ、伊達家から出た そしておっとうは弟妹と、おっかあと私が一緒に馬に乗る 馬術は伊達家で教えてもらった ありがとう、政宗様 私の懐のかんざしの鈴がなった気がした さようなら、奥州 .
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