出会い

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『皆の希望が多ければだが、今から席替えでもしようか?』 何をたった今考え付いたようなことをと思ったがこれは有りがたいことだった。 俺たちはほぼ一斉に喜びの声を上げた。 ちらほら興味のなさそうな奴もいるが、そんなのは関係ない。 担任は多ければと言った。 賛成が多い為に席替えは始まった。 黒板に教室にある席を大きく書き写し、1つ1つに番号を適当に並べて 書いていく。 次に小さな紙に同じ数、数字を書き野球部に入っている人に帽子を借りて それを全て入れていく。 これでクジ引きが完成した。 1人ずつ端に座っている者から1枚ずつ取っていくのだが 反応は多々あった。 学生は一般的に1番前の席を嫌がるので前に近い位置になってしまった者ほど 後悔や怒りの声をあげる。 順番が最後の方である俺は反応を見ることを楽しんでいたが そこで宮永の引く番になったことで更に心が躍る。
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