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そのうちスピードも落ち、私は死から免れたといった感じだ
「怖かったか?」
しれっとサヤさんが私に質問してくる
「当たり前じゃないですかぁ!」
再度サヤさんに掴まっている私は、ちょっと声を張って怒り気味に返答した
「もうバイク乗りたくなくなったか?」
とサヤさんに続けて聞かれた
確かに死ぬほど怖かった……が
「いえ……そんなことはないです」
だって爆音で街を駆け抜けた時は清々しかったし、走っている時の風が気持ちよかったのが否定の理由だ
「そっか…」
と安堵したような声をサヤさんは出して続けた
「美紀ちゃん?さっきの私の質問って美紀ちゃんが孤独になりたいかなりたくないかの状況に似てないか?」
「え?」
「要は辛いことが遭ったから孤独になりたいんだろ?やらなければ辛いこともないって思ったから孤独を選んだだろ?だけどさっきは死ぬほど怖かったのに怖がった美紀ちゃんはなぜか乗りたくなくないとは言わなかった
それはバイクの楽しさを知ったからじゃないのか?交友関係の楽しさを知らないから何もやらない絶対に辛いことがない孤独を選んでるんじゃないのか?要は交友関係もバイクも同じことなんじゃないか?楽しさを見つけられたら孤独にならなくてもいいんじゃないか?」
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