相原美紀の秘密

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「確かにそうですけど、バイクに乗るのと友達を作るのとは違います、それにやっぱり怖いんです、またイジメられるんじゃないかって………」 私はそう言うとサヤさんは急にまたスピードを上げる 私はまた悲鳴を上げてサヤさんに思いっきり抱きついた そしてサヤさんは、またスピードを緩める 「怖かったか?」 とサヤさんが再び同じ質問をしてきた 「怖かったに決まってるじゃないですか!」 と返すと 「さっきよりか?」 と返ってきた 「さっきよりは怖くなかったですけど……」 「なんでだ?」 「サヤさんにしがみついていたから……です」 そう言うとサヤさんはニコッと笑い 「そうだろ?一人の時より私に掴まっている方が怖くなかったろ?要は孤独の件も同じだ、前までは一人だったから怖くて他人を遠ざけてたかも知んねーけど今は優希がいるじゃねーか、だったらわざわざ自分押し殺して引きこもることないだろ」 サヤさんの言葉を聞いて私は今は独りじゃないという嬉しさと、やっぱりそれでも孤独でなきゃいけないという辛さで涙が滲(にじ)み出てきた
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