確信

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階段を駆け上がって、震える指先で鍵を開けた。 玄関の中に一歩入ってドアを閉めようとした時。 「何、怒ってんだよ…」 富田の足がドアにねじ込まれる。 思いっきりドアを引くと、富田の怒った声。 「痛ぇーよ、バーカ」 言いながらドアを開けた富田が玄関の中に入った。 「怒ってないから、帰って」 パタン、ドアの閉まる音がして、廊下の先から少しだけ入る灯り。 暗闇の玄関の中で、瞳を凝らして富田の顔を見上げた。 黙って立ったまま、何も言わない富田。 「富田…ホント、帰っ…ンッ…ヤメッ…」 いきなりのキスに、胸を叩いて抵抗したあたしの手を押さえて、壁に押し付けられたまま、何度も唇を奪われる。 「…ンンッ…ヤッ…」 首を振っても、追いかけてくる唇。 何度か繰り返すうちに、もう、抵抗する事すらも出来ないぐらい、そのキスだけであたしの身体は疼き出す。 自分から富田の首に腕を回して、唇を重ねた。 「富田……シよ…」 嘘でもいい、抱かれてる時だけは…愛されてる錯覚に溺れる事が出来る。 二人で一緒に堕ちて行く事が出来るから。 富田は、あたしの言った言葉に薄く笑って部屋に入って行った。 .
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