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富田のくれる熱に浮かされて、あたしはその深くて真っ暗闇な海の中、ただただ溺れ続けて。
もう、中途半端な感情はいらない。
ただ、身体だけの関係、それだけでいい。
富田と繋がっていられるなら。
そこに愛がなくても…抱いてる間だけでいい。
あたしを見て欲しい。
その指で 触れて欲しい。
その唇で熱いキスをして欲しい。
堕ちる所まで堕として欲しい。
それが あたしの願い。
「まこ…」
腕の中にあたしを収めて富田は言った。
「お前は…歯医者と付き合えばいいよ」
好きになった人に、言われたくなかった言葉。
「余計なお世話」
あたしは、ちっとも可愛くない台詞を返した。
ねー、富田。
あたしに男がいたら…安心なんでしょ?
めんどくさい女にはならないから…安心して。
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