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「まこ…」 掠れた声はあたしを呼びながら、抱き寄せてる腕に力を入れた。 「…ん?」 あたしは、目を開けて 精一杯の真顔で返事をした。 ブラウンの瞳いっぱいに、あたしが写る。 黙ってあたしを見てる瞳を、見つめ返した。 どのくらい見つめ合ってたんだろう。 何だか無性に恥ずかしくなって、視線を外そうとしたら、ブラウンの瞳は、あたしの唇を見た後、閉じてしまって見えなくなった。 触れるだけの…優しいキス。 離れては触れて…何度も降ってくる優しいキスに、あたしは目を閉じた。 .
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