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「まこ…」 唇が離れた刹那、あたしの名前を呼ぶ優しい声。 ゆっくりと目を開けたあたしと、視線がぶつかった富田は目を細めて微笑んで。 こんなに優しくされると、ホント調子狂う…。 冷たくされたり、適当に扱われるほーが、あたしの立場には合ってるもん。 「あんま落ち込むなよ、な?」 大きな手が、あたしの頭を撫でる。 「あ…り…がと」 「お、やけに素直じゃん。慰めて欲しー時、言えよ、いっぱい鳴かせてやるから」 富田は冗談ぽく言った後、くしゃっと笑って。 「なっ…、あんた、バッカじゃないのっ!!」 あたしはまた、いつもの可愛くない返事を返した。 「心配して言ってやったのに、バカって何だよー」 言いながら、富田はあたしをそのまま下に組み敷いて首筋にキスを落とした。 .
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