偶然

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「そーいえば、富田って意外にモテるんだね?」 「中川、意外ってなんだ意外って」 あ、明日の朝の食パン買って帰ろ…。 冷蔵庫にビール入ってたっけ? とりあえず帰りコンビニ寄るか。 頭の中でそんな事を考えながら、二人の会話を何となく聞いて。 「まこ、あんたも富田に負けないよーに早く男作りなさいよ?」 まーた、この話し。 和美は酔うと必ずと言っていい程、あたしにこの台詞を吐く。 「男ねぇ…」 「なぁ…松岡って 今までどんな男と付き合ってきたの?」 「は?あんたに関係ないじゃん」 「まこの昔の男はねー、あたしが知ってる限りでは…ろくな男は居ないね」 「ちょっ…和美!!」 「いーじゃん、富田なんだから…アハハッ」 それから、酔った和美は次々とあたしの過去を暴露してくれた。 まぁ…本当にろくな男は居なかった訳だから、暴露と言うよりは…ノンフィクションのストーリーなのだけど。 ここからは、半分やけ酒。 酔って忘れたい事なんて、腐る程ある。 「今日は飲むぞー!!」 .
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