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目が覚めると、富田の腕の中。 裸のあたしを抱き締めて気持ち良さそうに眠る、目の前の綺麗な顔を見て、さっきの情事を思い出して恥ずかしくなった。 何度も降ってくる優しくて甘いキス。 少し掠れた低い声に、゛まこ ″ そう呼ばれるだけで、胸の奥がきゅうってなった。 快楽に顔を歪ませて、堪えてる顔を下から見上げて、あたしは何度も堕ちて。 素面のせいで、恥ずかしくて下唇を噛んだあたしに、富田は笑ってキスを一つ落として。 あたしの耳元に顔を寄せて、 『声……聞かせて』 その言葉に身体中が熱を持つ。 そこからは、羞恥心とか、身体だけの関係とか、何も考えられなくて。 ゛由 ″ 普段は呼べない その名前を、何度も何度も呼んだ。 ねー、富田。 この関係は、いつ終わりが来るの? 自分に嘘、いつまでつけばいーの? 教えて…、由…。 .
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