ささやかな幸せ

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「シャワー借りるぞ」 「いーよ、勝手に使ってー」 ビールを買いに行った時、 『なんか腹減った、お前なんか作れねーの?』 富田がそう言ったから、買ってきた材料。 普段から料理なんて、ホントは全然しないけど…作ってみたかった。 好きな人に料理を振る舞う、なんて、何年ぶりだろ。 最後の男は、いつも、不味いって言ってたっけ。 だから、あたしは、出来るだけ失敗のない料理を選んだ。 ビールを飲みながら、カレーを食べるなんて、ホントにバカみたいな話しだけど。 自分でも引くぐらい、今この空間を楽しんでるあたしが居て、それをもう一人のあたしは、一歩引いた場所から見てる。 そんな事しても、無駄なのに。 この関係は、何も変わらないのに。 ねー、神様。 あんたって、ホントに意地悪なんだね。 大っ嫌いだよ、あんたなんか。 明日、バチ、当たってもいーからさ。 今日だけは、今だけは…このささやかな幸せを噛み締めさせて。 あたしは、意地悪な神様にお願いした。 .
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