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「お金は…?」
店の外にそのまま連れ出されたあたしは、富田と繋いでる左手を見ながら言った。
「おせーから払っといた、次、奢れよ」
「…うん」
それから、無言のまま大通りを歩いた。
信号で足を止める度に、あたしは富田の大きな背中を、少しまだぼやける瞳でぼんやりと見てた。
「アイツ…昔の男?」
家の近くの住宅街に入った所で、富田は足を止めて、振り返った。
「…うん」
あたしは富田の視線を感じながら、アスファルトを見る。
「…子供…出来たのか?」
「……そう」
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