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『まこ、おいで』
ベッドから、手をゆっくり伸ばしてあたしを引き寄せると、すぐに唇を優しく奪って。
少し強引に剥ぎ取られた服、すぐにその唇はあたしの身体中を這う。
『たけ…ちゃ…ンッ…』
『まこ…俺の事、愛してる?』
『アッ…愛してる…ッ…』
『…良い子だ、ご褒美だよ』
そう言って身体を繋げながら、朦朧とするあたしに、いつも、同じ台詞を囁いて、あたしに魔法をかける。
『まこ…愛してる』
あたしは、心のどっかで気が付いてたのかもしれない。
たけちゃんの愛は、本物じゃない事に。
いつから、こんなに愛されたいと願ってるんだろう。
母親の愛が、弟だけに向けられてるのは解ってた。だけど…嘘でもいい、愛して欲しかった。
15歳の夏、初めて経験してから、あたしは男と身体を重ねてる時間だけは
゛愛されてる ″そう感じるようになった。
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