躊躇い

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デザイナーなら、誰もが知ってる、いや、誰もが目指す賞かもしれない。 1年間、トップを走る富田のブランド。 ファッション業界では、カリスマみたいな存在の富田。 富田の名前は、一人歩きするくらい有名で、あっちこっちでデマの噂が流れてる。 当の本人は意外にも、全く気にしてないみたいだけど。 「やっぱ…富田、すごいや…」 富田がどんどん有名になって、あたしとは違う世界に行っちゃう気がした。 一緒に笑い合って飲んだり、お互いの家を行き来したり、いつか出来なくなるんだろーか? そんな事を考えて、少し寂しい気持ちになって、あたしは大きな溜め息を漏らした。 「明日、わかるんだって!!選ばれたらさ、富田に内緒でお祝いしよーよ」 「あー、うん、そだね」 「とゆー訳で、あたしは自分の職場に戻りまーす。じゃーね!!まこ!!」 「んー、じゃーね」 .
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