躊躇い

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「まこさん、具合でも悪いんですか?」 サンプルのチェック中、ぼんやりしながら富田の事を考えてた。 「あー、ごめん、恵美ちゃん、大丈夫」 「まこさん、最近疲れてませんか?少し痩せちゃったみたいですけど」 「そんな事ないってー、大丈夫」 「そーですかー?あんまり無理しないで下さいね?」 「ありがと、恵美ちゃん」 最近、体調があんまり優れない。だけど、毎日アルコールは欠かさず飲む。 風邪でも引いたかな…バカは風邪引かないってゆーんだけど。 忙しさのせーにして、コンビニばっかの乱れた食生活、こんな女、あたしぐらいだろーな。 今日は早く帰って寝よ。 「恵美ちゃん、チェック終わったら、あたし帰ってもい?」 「大丈夫です!!まこさん、今日はもう今すぐ帰って休んで下さい!!」 結局、恵美ちゃんに言われて、強制的に帰されたあたし。 一歩部屋に入ると、女の部屋とは思えない程、汚い。 金があったら、ぜひとも家政婦を雇いたい、そんなリアルな夢を膨らませつつ、なかば諦めて仕方なく掃除を始めた。 .
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