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インターホンの音で目が覚めた。
10時に女の部屋を訪ねるヤツなんて、ろくなヤツじゃない。
ここはビシッと言ってやろー、そんな事を考えながら、玄関のドアを開けた。
「ちょっと、何時だと思っ…」
「お前、無用心過ぎるだろ、いきなり開けんなよ、バカ」
「あんた、何やってんの?」
「お前、具合悪くて帰ったって聞いたから、ほら、お見舞い」
富田は、ビニールの袋を目の前に差し出して笑った。
「寒いから早く入れろよ」
「あー、ごめん」
当たり前みたいにさっさと靴を脱いで、部屋に入ってく後ろ姿を見ながら。
なんであたしが謝ってんだよ…。
部屋、掃除しといて良かった。
「あれ、お前珍しいな、部屋綺麗じゃん」
「そー?いつも、こんなもんでしょ」
「や、全然ちげーだろ」
富田は呆れた顔でキッチンに向かった。
「具合、平気なの?風邪でも引いたのか?」
「んー、わかんない」
「何だそれ、飯は?」
「まだ、寝てたから」
「座ってテレビでも見てろ」
「んー、わかった」
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