躊躇い

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゛1時間後に迎えに行く ″ さっきから、あたしは玄関の鏡の前を行ったり来たり。 なんだか、そわそわ落ち着かない。 髪の毛…、こんな事ならバッサリ切っとけばよかった。 あ、1時間後だから、間に合う? あたしは慌てて、携帯のメモリーを探した。 「紗世?あたし、まこまこ!!」 「まこー、久しぶりー!!どーしたの?」 紗世は、幼稚園から中学までの青春時代を共に過ごした、あたしの幼馴染み。 紗世は女子高を選んで、あたしは共学を選んで、高校は別々になったけど、家も歩いて3分の距離だったし、ほとんど毎日会ってた。 子供の頃から夢だった、美容師になって、今はあたしの家の近くの美容室でトップスタイリストなんて肩書きをお持ちで。 昔から、サバサバしてるから、お客さんにも似合わないとかハッキリ言っちゃう…そんな所が、たまにキズなんだけど。 まぁ、あたしは紗世の腕を信頼してる。 「あのさ、今からカット出来ない?」 「カットかー、ごめん、予約入ってる。急ぎ?」 「そう!!パーティーなんだけど、困ってるの!!お願い!!紗世、あたしを助けて!!」 .
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