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「お前、170あんの?」
隣の富田も、自分の煙草を加えて ジッポで火を点ける。
「あー、ないね。168だったかな?」
「ふーん」
煙草を吸い終わってから、あたしよりも10センチ以上背の高い富田をチラッと見上げて。
「あたし帰るわ」
一言告げた後、バッグとジャケットを手にして玄関に向かう。
「富田ー、じゃーねー」
゛ちょっと待てよ ″
玄関のドアが閉まる前に、富田の声が一瞬聞こえたけれど、そのまま階段を駆け下りた。
一歩出た外は、もう夏かよって突っ込みたくなる程 暑い。
さっき、階段を駆け下りながら着たジャケットを脱いで、カーキ色のタンクトップのまま歩き出す。
富田の家から歩いて15分の距離。
部屋に入ると同時にヒールを脱ぎ捨てて、そのままベッドに向かった。
履いているグレーのスキニーを裏返しに脱いで、ベッドに倒れ込むように身体を沈めた。
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