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携帯が、けたたましい音を立てて鳴らす。
正直、二日酔いの頭に この着信音はキツい。
ベッドから抜け出して、携帯を手にすると
゛中川 和美 ″ の文字。
「まこ、おはよー」
タップすると同時に聞こえる大声に、思わず耳元から携帯を離した。
「おはよ。ちょっと声のボリューム下げて」
゛何ー?二日酔い? ″
なんて、呑気な事を聞く和美。
一緒に飲んだのに、二日酔いの ゛ふ ″の字もない和美が羨ましく思える。
「で、和美は、あたしを置いていつ帰った訳?」
「置いて帰ったんじゃなくて、まこが酔っ払ったから解散したの!!」
「ねぇ和美。あたしさ…どーやって帰った?」
「は? まこ、覚えてないの?」
「うん、テキーラ飲んだのは覚えてるけど…そのあと記憶がない」
「だと思ったー。あんた、テキーラ飲んでから超酔っ払ってさー、散々Sexと男と女について熱く語ってたよ」
「え?マジ?」
゛マジマジ!!すごい演説だったー!! ″
和美は、ケラケラと笑いながら昨日の一部始終を話す。
『気持ちいーのは男だけ』
『愛なんかなくても男は勃つ』
『女はただの性欲の捌け口』
『相性がいい人に出逢った事がない』
『恋愛なんか もう懲り懲り』
『2年もご無沙汰だから欲求不満かも』
『彼氏はいらないけど、身体だけの割り切った関係ならアリ』
「あと、なんて言ってたっけなー?」
和美の口から、次々と出て来た言葉に固まった。
てかさ…酔ったあたし、何やってんの?
…2年ご無沙汰なんて…何話しちゃってんの?
身体だけの関係、欲しがってどーすんだよ?
「や、も いーや。聞くのやめとく」
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