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「好きな女じゃなきゃ、抱かねーよ」
言った後、あたしの唇に優しいキスを落として。
「さっき、お前ん家でしたのは、終わりのキス。これ、始まりのキスだから」
今までに、見た事もない、胸がきゅうってなるぐらいの笑顔。
あたしはその笑顔に、目眩さえ感じるくらい惚れてたんだ、と気が付いた。
「今からは、お前の心も身体も、俺のだからな」
「えっ、あっ…ちょっ…何すんのっ…」
「何すんのって、愛の確認作業に決まってんだろ」
「ちょっと…もー、降ろして!!」
富田の肩に担がれたあたしは、手足をバタつかせて暴れる。
「っぶねーな、暴れんなって」
寝室のベッドに降ろされたあたしに、富田が覆い被さる。
「ちょっ、富田、さっきもシたじゃん…」
「はいー、ペナルティ1」
「はぁ!?」
「名前」
首筋に、赤い痕を一つ付けて。
「…ゆ、…由っ…ねー、今日は…」
「ダーメ、いっぱい鳴かせないと、俺の気が済まない」
ジタバタ動かす、あたしの両手を掬い取って。
「あー、もー、わかった!!スる!!」
「早く言えよ、まこ…すげぇー好き」
照れ臭くなるよーな言葉と一緒に、甘くて優しいキスが降り注ぐ。
あたしは、目の前のブラウンの瞳に、また一つ恋をして、大好きなその唇にキスをした。
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