彼の居る日常

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「おはよー」 フロアに一歩入ったら、あたしのスイッチが仕事モードに切り替わる。 「まこさーん、サンプルチェックお願いします!!」 「りょーかい」 ゛仕事も恋も!!両立していい女になる!! ″ 昨日の夜、雑誌の特集ページを熟読してみたあたり、あたしって、ホントにバカだなー。 自分でも解る、あたしは素直じゃないし、器用でもない。 おまけに、酒は飲むし、煙草もバカみたいに吸う。 そんでもって、普通の女よりもでかいし、容姿だって、びっくりするよーな美人でもなけりゃ、可愛らしい守ってあげたくなるタイプでもない。 だけど、富田なら、ありのままのあたしを受け入れてくれる気がした。 「恵美ちゃんー、メジャー持ってきてー!!あ、あと新しいdarlingのカタログもお願いー!!」 「はーい!!まこさん、先に会議室行ってて下さいー!!」 「りょーかい!!」 2年ぶりに出来た彼氏とやらに、あたしはちょっと浮かれ気味な訳で。 単調で、つまらなかったあたしの日常は、180度変わり始める。 .
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