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「ねー、何度も言ってるけど、これあと3センチ着丈伸ばして」
「まこさん、すみません…」
「もー、新入社員じゃないんだから、1回で覚えて。これ終わったら、休憩しといでー、疲れてんでしょ?」
「ありがとーございます!!」
普段から口の悪いあたしは、みんなにどー思われてるんだろう。
今更、言葉遣いを直すなんて、おそらく無理に等しいけども。
あたしの下で働いてくれてるメンバーには、ホントに感謝してる。
それを、ちゃんと言葉で伝えなきゃいけないのは…解ってるけど、なかなか言えない。
「まこさん、これ、新しいカタログです」
「おー、サンキュ」
darlingの最新号のカタログを手に取って、パラパラめくる。
モデルに選んだのは、あたしが原宿でナンパした女の子。
声を掛けた時、それはもー、変な人を見る目であたしを見て、話しを聞いてもらうのに苦労した。
まー、最後はちゃんと店舗に連れて行って、あたしがデザイナーだって解ってくれたんだけど。
「やっぱ可愛いですねー、この子」
「だね、darlingの服、着こなせてるし」
「まこさん、見る目ありますねー。スカウトマンになったらどーですか?」
「ハハハッ…そーかも」
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