彼の居る日常

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「ちょっ、待てって、まーこ」 あたしは、その声で足を止めた。 追い付いた富田が、笑いながらあたしの顔を覗く。 「わかりやすっ…ハハッ…゛まこ ″帰るぞ」 何これ…、あんな笑顔、あたしに見せやがって…。 しかも… ゛まこ ″ だけ、強調して言いやがって。 なんだかんだ言いながら、結局、手を繋いだまま電車に乗って、降りる駅は同じな訳で、2人でスーパーに寄って買い物をした。 「ありがと」 富田は、あたしの手から、何も言わずにスーパーのビニール袋を取り上げた。 「どっちで食う?」 「あー、ごめん、うち汚い」 ゛いつもの事だろ ″ そう言って、富田は笑ってた。 富田の部屋はいつも綺麗で、料理も出来て、まるであたし達は、男と女が逆になったみたいだ。 .
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