14224人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっ、待てって、まーこ」
あたしは、その声で足を止めた。
追い付いた富田が、笑いながらあたしの顔を覗く。
「わかりやすっ…ハハッ…゛まこ ″帰るぞ」
何これ…、あんな笑顔、あたしに見せやがって…。
しかも… ゛まこ ″ だけ、強調して言いやがって。
なんだかんだ言いながら、結局、手を繋いだまま電車に乗って、降りる駅は同じな訳で、2人でスーパーに寄って買い物をした。
「ありがと」
富田は、あたしの手から、何も言わずにスーパーのビニール袋を取り上げた。
「どっちで食う?」
「あー、ごめん、うち汚い」
゛いつもの事だろ ″
そう言って、富田は笑ってた。
富田の部屋はいつも綺麗で、料理も出来て、まるであたし達は、男と女が逆になったみたいだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!