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「お前、反省してんの?」
「……はい、反省してます…ごめんなさい」
あたしは今、ソファの上で正座をしてる。
富田は…換気扇の下で煙草を吸いながら、おでこに ゛冷えぴた ″ とやらを貼り付けて、あたしを睨んでる。
遡ること…10分前。
いきなりキスをしてきた富田を、ちょっと、ほんのちょっと押したらば……。
体勢を崩した富田がソファから転げ落ちて、おまけにテーブルの角に、思いっきりおでこをぶつけて流血する、とゆー大惨事が起きた。
「大体、お前はさー、なんで拒否すんだよ、ホント意味わかんねーよ」
「はい…ごもっともです…」
「なー、お前はキスしたくなんない訳?」
や、なりますとも。
あなたの唇はとっても、魅力的ですし…。
その、あなたのキス、好きですから。
まー、そんな事、口が裂けても言わないけど。
「だから、ホントにごめんって」
「あ?逆ギレかよ?」
煙草を消して、こっちにスタスタ向かってくる富田に、あたしは少しだけ怯む。
「や、その…なる、けども…いきなりは…ね?…ちょっと…」
正座をしてる、あたしの目の前、フローリングに立て膝をついた富田。
「はい、今からキスします!!」
宣言通り、すぐにあたしの頭を引き寄せて唇を重ねた。
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