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「まーこ、起きろって」
「んー、もーちょっと…」
「起きないと、このままスるぞ」
「…っ!! 起きた…」
半分、脅しのよーな声に、あたしは飛び起きて、まだ、ボーッとする頭で時計を見る。
「も…11時か、帰ろ…」
「送ってってやるから、帰って風呂入って寝ろ」
あたしの頭をぐりぐりしながら、富田は笑った。
「んー、わかった」
静かな住宅街の夜道、15分の道のりを2人で歩いた。
「ありがとー、おやすみ」
「明日、遅刻すんなよ、じゃーな」
右手を一度上げてから、富田は帰って行った。
部屋に入ってすぐ、あたしはシャワーを浴びて、濡れたままの髪でベッドに潜り込む。
眠りにつく、ほんの数秒前、富田の顔が浮かぶ。
「いー夢、見れそ…」
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