彼の居る日常

11/11
前へ
/340ページ
次へ
「まーこ、起きろって」 「んー、もーちょっと…」 「起きないと、このままスるぞ」 「…っ!! 起きた…」 半分、脅しのよーな声に、あたしは飛び起きて、まだ、ボーッとする頭で時計を見る。 「も…11時か、帰ろ…」 「送ってってやるから、帰って風呂入って寝ろ」 あたしの頭をぐりぐりしながら、富田は笑った。 「んー、わかった」 静かな住宅街の夜道、15分の道のりを2人で歩いた。 「ありがとー、おやすみ」 「明日、遅刻すんなよ、じゃーな」 右手を一度上げてから、富田は帰って行った。 部屋に入ってすぐ、あたしはシャワーを浴びて、濡れたままの髪でベッドに潜り込む。 眠りにつく、ほんの数秒前、富田の顔が浮かぶ。 「いー夢、見れそ…」 .
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14224人が本棚に入れています
本棚に追加