唇の温度

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「もしもし?あたしだけど…何?」 シャワーを浴びた後、ブラとパンツのままタオルで頭を拭きながら電話をかけた。 髪伸びて乾かすのめんどくさっ…そろそろばっさり切ろーか。 胸下10センチのロングのストレートは、絡まって仕方ない。 「お前…家?何してんの?」 「そー、何もしてないけど。それだけ?」 「や、昨日着てたカットソー、俺ん家に忘れてった」 「あー、忘れてた。月曜で…「今っ…」 月曜でいーよ、そう言おうとした私の声を富田は遮る。 「え?」 「今から届けるから…じゃーな」 は? 今から届ける…? 「ちょっ…」 考える間もなく切られた電話は ツーツーツー…単調な機械音を鳴らした。 富田の家とあたしの家の距離、普通に歩いて15分。 .
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