唇の温度

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「きったねーなー」 「だから言ったじゃん」 「お前…女だろ?食べたゴミぐらい捨てろよ」 言いながら、富田はキッチンの引出しを開けてゴミ袋を出す。 ここは、あんたん家か!! 心の中で そんな突っ込みを入れる。 ボサッと立ってるあたしに、猫を追い払うみたいにした後、ローテーブルの上にあるゴミを片付け始めた。 「ねー、あんたカットソー届けに来たんじゃないの?」 「そーだけど。きったねーから掃除してやってんの」 「頼んでないんだけど」 「頼まれてないけど、俺A型だから?」 理由にもなってない その返答に、半分呆れながら 隅っこにあるベッドに座った。 .
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