唇の温度

15/21
前へ
/340ページ
次へ
「まこー!!こっちこっち!!」 店の前で携帯を片手に、待ち構えてたのは、いつにも増して甘めな勝負服を着てる和美だった。 「本当にごめんっ!!一人、急に来れなくなっちゃってさー」 「明日のランチ、よろしく」 「了解でーす!!」 そう。あたしは和美の 『明日、ランチ奢るから!!』 の、一言に釣られて いそいそと人数合わせの合コンにやって来た。 あー、何ご馳走してもらおーか? たまには和食もいいか? 「それにしても、まこ、あんた毎日酒ばっか飲んで…また二日酔い?」 「ん、まーね。ねぇ、中で煙草吸える?」 「吸えると思う。行くよ」 「ふーん、ならいーや」 スタスタと 店の中に入って行った和美の後について行く。 居酒屋なのに、ちょっとお洒落な外観。 一歩入ると、あちらこちらに間接照明が置かれてたり、床のザラッとした黒っぽいタイルが なかなかセンス良い。 「なんか、ここいーね」 「でしょー?最近オープンしたんだよ」 「ふーん…お腹空いた…」 店の雰囲気から、出てくる料理を想像して お腹が鳴った。 .
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14215人が本棚に入れています
本棚に追加