違い

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「まこちゃん、久しぶり。やっと来てくれた」 診察室に入ると、白衣にマスクをしてる彼。 その姿に、ちょっとだけドキッとした。 「どーも」 ゛座って ″ 言われて シートに座ると、彼は隣の椅子に座った。 「今日はホワイトニング?」 「や、親知らずが痛くて…」 「そっか、じゃあ ちょっと見てみよう。椅子倒すよ」 ゆっくりと倒れて行ったシートが止まって、彼の顔が近付く。 「口開けて」 言われた通りに口を開けると、消毒の匂いのする冷やっとした手が、あたしの唇に触れた。 「あー、これ痛むでしょう?」 口を開けてるあたしは首を縦に振った。 「炎症してるから、今日は抜いてあげれないな。痛み止めの飲み薬出してあげるから、炎症が収まったらすぐ抜こう」 良かった…今日は痛くないのか…。 それから、歯のチェックをして小さな虫歯が1つ見付かった。 「…痛い?」 ガチャガチャと金属の器具を用意する彼に声を掛ける。 「大丈夫、痛くないようにする」 穏やかなその声に胸を撫で下ろした。 .
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