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「ご馳走様でした」
歯医者から一緒に歩いて１０分。
住宅街の中にひっそりと佇む、洋館みたいな家。
フレンチのコースをご馳走になった。
「いいえ、もう遅いから家まで送って行くよ。僕のマンション、すぐそこだから車取りに行っていい?」
「うん」
乗せられた車は、もちろん左ハンドル。
フロントのエンブレムが ゛金持ち ″ を象徴してる。
「歯医者って、ホントに金持ちなんだ…」
「ﾊﾊﾊｯ…まこちゃん、ストレートだなぁ」
「だって、そーじゃん。この車高いでしょ」
「そんな事ないよ、誰でも買えるさ」
うちの父親なら、一生買えないだろう。
「まこちゃん…彼氏は?」
「居ない」
「じゃあ…僕と付き合ってみる?」
突然の告白に 度肝を抜かされたあたしは、びっくりした顔で左側を向いた。
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