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「あー、もー、付いて来ないで」
「いーじゃん、歯医者の話し聞かせろよ」
「なんで、あんたに話さなきゃいけない訳?」
部屋のドアの前で振り返って、富田を睨む。
「あーあ、そんな事言っていーの?俺、お前とシた事、酔っ払って中川にしゃべっちゃうかも」
あー、そーきたか。
「絶対に和美には言わないでよ!!」
言いながら鍵を差してドアを開けたあたし。
「了解」
家主よりも先に部屋に入って行く後ろ姿に、大きな溜め息を吐いた。
「きたなっ!!お前さぁ…ホント掃除しろよ」
「うっさい!!展示会で忙しかったの!!」
「あー、展示会どーだった?」
「まぁ…それなりに喜んでもらえて…良かったかな…」
「そっか、良かったな」
ベッドに腰かけたあたしの前に来て、缶ビールを差し出しながら富田は くしゃっと笑った。
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