違い

13/18
前へ
/340ページ
次へ
「治療に来るの楽しみに待ってる、か」 至近距離から聞こえた声に、慌てて携帯を隠して。 「ちょっ…勝手に見るな!!バ…カッ……」 富田の顔が思いの外近くて、息を飲んだ。 あたしに覆い被さるみたいに、身体を前に乗り出した富田、あたしの左肩に触れてる富田の右肩が微かに動いた。 「ちょっと、離れてよ」 「ヤダって言ったらどーする?」 「殴る」 「じゃ、ヤダ」 「ちょっと富田、ふざけないで」 言いながら、富田の胸を軽く押し返した。 けど、それは全然意味のなかった事だと知った。 富田は、あたしの出した両手を押さえ付けて、そのまま押し倒した。 「ちょっ…痛ったー!!何すん……」 フローリングに後頭部を打った頭が痛むけど、それより何より この状況の方がもっとイタイ。 .
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14215人が本棚に入れています
本棚に追加