違い

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「ほらっ、どいて!!飲み過ぎだよ、富田」 湿っぽい空気を拭いたくて、わざと明るい声を出した。 「…俺のだから、お前の身体」 「はぁ!?あんた何言って…ンッ…」 唇を押し当てられた瞬間、走馬灯のようにあの夜のキスの感触が甦る。 抵抗して顔を左右に何度振っても、富田の唇は離れるどころか、深いキスに変わって。 「…ンッ…ンンッ…」 どーして、キスひとつでこんなに気持ち良いんだろう。 さっき別の男としたキスは、こんなに熱くならなかったのに。 そんな事をぼんやり考えながら、自分から舌を絡ませた。 「…ハァッ…ンッ……ンッ…」 あたしの口から漏れる吐息を飲み込むように、富田の唇が触れる。 時折、離れそうになる富田の唇を 気が付けば自分から追いかけてた。 あたしの首筋に、大きな手が触れる。 「……ンッ…ンンッ…」 あたしは、自由になった手を富田の首に回した。 .
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